ITの歴史とTeamPageの設計思想の講演資料
当社CTOのChristopher Nuzumがドイツの Hyperkult 2015 会議 にて講演を行い、その中でTeamPageとジャーナル(TeamPageのデータベース)の設計思想について語りました。
このブログでも過去に紹介したことがありますが、TeamPageは、ダグラス=エンゲルバート氏のNLSやテッド=ネルソン氏のXanaduから大きな影響を受けた、ハイパーテキストのシステムです。
Christopherは、1980年代から脈々と続く歴史を振り返りつつ、現在のTeamPageの土台としてハイパーリンクがどのように生かされているかを紹介しました。
時々、世の中のコラボレーション ソフトウェアには、歴史的な視点が欠けているように思えることがあります。例えば、「まったく斬新なアイディアを形にしました」のような宣伝文句がよくあるでしょう。きっとそれは、コンピューター サイエンス学部でプログラミングやデータ構造の勉強ばかりしてきた新卒者がソフトウェアを作っていて、彼らはコンピューターの歴史を軽視しているか、あるいは「コンピューター黎明期、人々はパンチカードに穴を開けることでプログラムを組んでいた」という史実以外のことを知らないのでしょうね。
1996年、「As We May Think」の50周年をマサチューセッツ工科大で祝った後、そしてダグラス=エンゲルバート氏と長い時間話をして勇気づけられた後に、私は共同創立者としてTraction Software社(当時はTwisted Systemsという社名でしたが)を設立し、Memexにインスピレーションを受けたナレッジ用システムを設計しました。この講演では、当社製品のTraction TeamPageを支えるハイパーテキスト ジャーナル エンジンが、ヴァネヴァー・ブッシュ氏、ダグラス=エンゲルバート氏、そしてテッド=ネルソン氏からどのように知恵やアイディアを得て作られているかについてお話します。また、私達が採用しなかったアイディアやその理由についても少し触れます。そして、最後に、当時も今も実現していないいくつかのアイディアをお話します。
ご興味のある方は Tripping Up Memory Lane Script.pdf (14.2MB) をご覧ください。英語で書かれていますが、講演で使われた画像がたくさん含まれているので、分かりやすいかと思います。
2016/05/16 追記 - 講演ビデオが公開されました。クリス=ナズム Hyperkult 2015 会議ビデオ「思い出をたどり上げる旅」をご覧ください。
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